"植物由来成分を原料とするバイオマス系トナー"を調べてみた

コニカミノルタの、植物由来成分を原料とするトナーを搭載したデジタル複合機出荷開始という今年5月のプレスリリース。
環境負荷低減に大きく貢献する新興国市場向け『bizhub 184/164』シリーズの出荷開始 | コニカミノルタ

コニカミノルタは早くから製造時の使用エネルギーを抑える重合法トナー(デジタルトナー)に着目し、乳化重合技術による研究開発を進めるとともに、2000年の製造開始当初からトナー原料に植物由来成分を使用

植物由来成分がどの程度入っているのかがまったく不明です。となると環境への効果も不明なのですが。。。

で、気になってバイオ系のトナーについて調べてみました。こちらはどの程度入っているかが明確なリコー複写機。環境を謳うのならば、せめてこの様に使用量位は明記するのが筋ってものでしょう。昨年のプレスリリースです。
http://www.ricoh.co.jp/release/by_field/copy/2009/1111.html

世界で初めて、メーカー純正のバイオマス由来材料を使用した新開発トナーを採用。
新開発トナー「for E(フォー・イー)トナー」は、樹脂を含めたトナー成分全体の25%(質量比)がバイオマス由来。

メーカー純正として??つまり初ではないって事??
で、ようやく初っぽいトナーに辿り着きました。アメリカのPRC Technologies社のSoyPrintというレーザープリンター用カートリッジ(HP用)に、2008年に使用されたのが最初のようです。他社プリンター用のカートリッジの方が先だったという事ですね。

In 2008, we introduced the first toner cartridge containing toner derived from soybean oil in place of petroleum. A new generation of SoyPrint toner is planned for 2010. It will be made in the United States, from U.S. grown soybeans. We will also introduce the world's first soybean oil based ink for use in inkjet printers in 2010.

この原料は大豆油。大豆油は新聞印刷用インク等の溶剤としては知っていましたが、トナーの原料にも使われていたのは意外でした。インクジェットへの進出も狙っているようですね。

で、もう一つ。アメリカのWestpoint社のAgriToneというカートリッジ。

The critical difference between AgriTone™ cartridges and traditional cartridges is that AgriTone™ cartridges contain BioBlack, a toner containing a significant concentration of bio-based resin, in place of petroleum-based resin. The resins used to create the toner are made with natural oils from American crops like soy, corn, and cotton seed, all renewable resources that are not only readily available, but sustainable long-term.

BioBlackというトナー(大豆やトウモロコシ等のバイオマス由来成分を35%以上含有)を使用との事。やはり使用量の明記は必須ですよね。


と、ここまで下書きを書いていて、6月に入ってこのプレスリリース。
高速モノクロデジタル複合機2モデルを発売 | ニュースリリース:シャープ
シャープからもバイオマス系トナーの登場です。

トナー成分の大部分を占める樹脂に、従来の化石原料に加え、穀物系のバイオマス原料を使用した“MycrosトナーEP”を採用しました。

穀物系という所がいいですね。

日本バイオプラスチック協会により、トナーで初めて、有機資源による物質を一定基準以上含むバイオマスプラスチック製品として「BPマーク」を認証。

日本バイオプラスチック協会のBPマーク認証基準の一つとして、製品中のバイオマスプラスチック度が、25.0wt%以上のプラスチック製品である事が必要とのこと。先述のリコーのトナーと同レベルの環境負荷軽減を達成しているようです。